ご挨拶
2015年9月より大分大学医学部神経生理学講座の教授に就任いたしました。
当教室にて初代山田和廣教授、第2代横井功教授が築かれた基盤を継承しつつ、さらなる発展に向けて新たな時代の生理学を開拓していきたいと考えています。
私は大学卒業後、内科医としての臨床経験と大学院での基礎研究の基礎を積み、その後国内外の研究機関で学び、母校である大分大学医学部に戻ってまいりました。現在の研究テーマは『神経ペプチドの新たな生理機能の解明研究』と『DAMPsを介したエネルギー代謝関連疾患およびストレス関連疾患の病態解明研究』です。生理学研究が急速に進展するなか、当講座では遺伝子改変技術を駆使して、ペプチド科学、分子生物学、行動生理学、形態学、神経科学、電気生理学、バイオインフォマティクスなど多様な手法を活用し、複雑な生理機能に迫る研究を行っています。また、学内外での共同研究にも積極的に取り組み、最新の知見を発信することを目指しています。
医学教育においては、医師に必要な生理学の知識を深めるとともに、その背景にある病態生理の理解や最新の知見を率先して取り入れ、生体全体を俯瞰して捉えることができる視点を養う教育を目指しています。これにより、独自の視点を持ち、グローバルに活躍できる研究マインドを持つ医師や医学研究者の育成に努め、医学・生理学の発展に寄与したいと考えています。
豊かな自然に囲まれ、研究・教育・医療の各分野で多大な潜在力を秘めていると感じる大分大学医学部に再び戻れたことを大変光栄に感じております。生理学の研究・教育を通じて、若い世代とともに前進し、当教室から世界に向けて価値ある研究成果を発信できるよう邁進してまいりたいと思います。
大分大学 医学部 神経生理学講座
教授 花田 礼子